濡葉色のブーケ
6月の花嫁さまに
雨に濡れた葉のような瑞々しい緑色。
葉は水に濡れることで、
深く鮮やかな色合いに変化します。
濡葉色はそんな緑を主張するような色の和名です。
日本には古来から、暮らしの中に多彩な色合いを取り入れ、繊細な色の世界を見出し、その豊かな表現をを育んできました。
季節に合わせ、植物や、鳥や虫魚、空や山や水の色、
などの色や姿を借りて、表現した沢山の色がありました。
それらは多くの絵画、染織物、陶芸、詩歌、文学として、生活や文化の中に深く息づいています。それは、平安の女房達の繊細な感性が産み出した十二単衣に代表される重ね色目の配色美にも現れています。
日本の伝統色は、日本文化特有の色彩感覚に基づいた色、また過去の歴史資料において出典がある日本固有の伝統的な色名称を含む1100余の色をさすといわれます。(ウィイペディアより)
1100というのは、途方もなく多い数に思えます。
そもそも、私たちはどれくらいの色を数えることができるのでしょうか。
色にも種類があるのでしょうか。
太陽や照明、ろうそくなどから発せられた光が物体に当たると、特定の波長を反射します。物体の表面から反射された光によって現れる色を「表面色」。
ガラスやセロファンのように、光が透過することによって現れる色を「透過色」と呼びます。
イルミネーションやスマホのディスプレイに表示される色は、「光源色」と呼ばれます。
私たちが色を認識するのは、人間の目の網膜に、錐体(すいたい)と呼ばれる視細胞(光受容体)があるからです。人間や霊長類には、3種類の錐体があることから、三色型色覚と呼ばれます。
S錐体(青錐体)は短波長(440ナノメートル)付近の光に、M錐体(緑錐体)は中波長(545ナノメートル)付近の光に、L錐体(赤錐体)は長波長(565ナノメートル)付近の光に高い感度を示します。
錐体が知覚する波長によって、私たちはさまざまな色を認識します。三色型色覚の人々は、およそ100万もの色を識別することができると考えられています。
さて、私たちは識別した色をどうやって表して、人に伝えればいいのでしょう。
子供たちが使っている12色の色鉛筆、24色の絵の具、100色のクレパス。
色を印刷やペイントに間違いなく再現されるように、色にナンバーをつけた色見本張というのもあります。
しかし古の日本人の色表現より、現代人である私たちは、果たして豊かな色表現ができているのでしょうか。
味わい深い、日本の色名称、合わせ色目について少しずつ探り、ブーケやアレンジメントの色使いに生かしていきたいと思っています。
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